JAPAN AIRLINES

定例記者会見

2010年12月28日、定例記者会見を実施いたしました。
会見での社長のメッセージを掲載させていただきます。
(社長の大西が代表してご挨拶させていただいております。)

日本航空 社長
大西 賢
 
 

本日は年末のお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。

弊社が1月19日に会社更生法の申請をしてから約1年、ご迷惑をおかけすることになった多くの関係者の皆さま、そして、ご心配をおかけすることになった社会の皆さまのご支援を頂きながら、日々の運航を安全に継続していくことが出来ました。改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

これまで、2008年度対比、国際線で約4割、国内線で約3割にのぼる“不採算路線の徹底的な整理”、事業規模に合わせた人員適正化など事業構造の抜本的な見直しを進め、また、本年4月からの基本賃金の5%カット、あるいはボーナスの不支給、来年1月からの新しい賃金制度適用などの一連の賃金施策、乗務員の送迎の抜本的な見直し、施設の効率化などを含む、全般に亘る“コスト削減努力”に注力してまいりました。

これからも、年度内の更生手続きの終結や2012年度の再上場を目指すなど、容易ならざる目標にチャレンジしてまいります。2011年も引き続き、更なる筋肉質な体質の構築に向け手綱を緩めず着実に施策を実行し、財務体力の早期回復、収益率の向上に向け、努力していきたいと考えています。

今申し上げました、収益率の向上という観点では、搭乗率というインデックスにおいて、大規模な路線整理を行った国際線に、その結果が顕著に出ており、2010年10月の搭乗率とリーマンショックの影響が出る直前の2008年の10月とを比較した場合、国際線で2010年度10月の搭乗率は78%弱、2008年10月は66%弱であり、12ポイントほど搭乗率が向上しています。

そのような中、弊社の一部の組合が12月24日、25日両日に亘りストライキを計画していました。結果的には両日とも、ストライキは回避されましたが、皆さまにご不便、ご心配をおかけし、この場を借りて、心よりお詫びを申し上げます。

更生計画の実現及び完遂のための確実な人員規模適正化の必要性について、引き続き、労働組合の理解を得るべく努めてまいります。

次に整理解雇についてですが、解雇予告の対象者に対して募集していました希望退職措置を、昨日を以って締め切りました。その結果、休職者等を除いた運航乗務職約10名、客室乗務職約10名、休職者等約10名から応募がありました。これにより、整理解雇の対象者は運航乗務員約80名、客室乗務員約60名、また、休職者等約30名、合計で約170名となりますことを報告させていただきます。

整理解雇の実施にあたっては、これまで弊社のために、ともに汗水を流して働いていただいた社員ということもあり、それが事業縮小に合わせた人員規模適正化とはいえ、対象となったご本人・ご家族に対しては、申し訳ないという言葉では言い尽くせない気持ちで一杯であり、まさに断腸、身が引きちぎられるような思いであります。

今後は、日本航空という会社を存続させるため、また、日本航空を去られる社員から託された再建への思いも受けて、私をはじめ残った社員皆一丸となって血の滲むような努力をし、まずは会社再建のスタートラインに立ち、一日も早い再生を目指してまいります。

次に、年末年始に関する羽田空港発着便の状況ですが、ハワイ線をはじめとし、全般で予約率約85%と大変好調です。成田便を維持しながら、羽田発を増便した路線についても、成田便から羽田便にお客さまが転移した形跡はなく、羽田空港国際化により、首都圏を中心に総需要の拡大が図れたものと分析しております。今後、地方乗り継ぎの更なる増加を目指していきます。当初、供給過多を懸念していました東南アジア線についても徐々に搭乗率は上昇しており、年末年始は90%を超える数値となっております。今後とも、サービス品質の向上はもちろんのこと、効率的に収益を上げ、ネットワークを維持しつつ、収益力強化に向けて邁進してまいります。

続いて11月度の経営状況についてですが、日本航空インターナショナル単体ベースにおける財産評定後の営業利益の概算値は、100億円の営業黒字になりました。不採算路線の整理による事業規模縮小が進み、売上げは前年対比で減少するものの、コスト削減策の着実な実行により黒字を確保しています。

また、グループ連結においては、130億円程度の営業利益を確保する見通しです。 このように、足許の収支については黒字を確保している状況ではありますが、自己資本についてはまだまだ薄い状況にあり、またイベントリスクに十分耐えられる体力を持った会社であるとは言いがたいのが現状です。引き続き、徹底的な費用削減や営業努力を積み重ね、営業利益の確保に努めてまいります。

次に税負担軽減についてですが、去る12月16日に政府による税制改正大綱が発せられました。航空機燃料税等の軽減については、かねてより業界から強く関係各所にお願いしてまいりました。

その結果、航空機燃料税については、国の厳しい財政状況の中においても、私共の主張に耳を傾けていただき、一定のご高配をいただいたことについて、関係者の皆さまに感謝申し上げたいと思います。

ただし、航空機燃料税は、もともと国際的にも極めて稀な制度です。航空自由化が進む中、制度のイコールフッティングは不可欠だと認識しています。今後、更なる大幅な低減に向け、各方面にご理解を賜る努力を継続しつつ、引き続き、強くお願いしていきたいと考えています。

最後に、私の年末年始の動きですが、ご存知のとおり、航空会社の現場は365日24時間動いています。私も暮れから正月にかけて全国の現場に顔を出し、お客さまへの日ごろのご愛顧への感謝の意を表するとともに、弊社の再建に一所懸命になって協力してくれている社員を激励したいと考えております。

本年最後の定例記者会見ですが、皆さまには大変お世話になりました。来年は今年にも増して会社再建に向け努力してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

私からは以上です。

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