明治16年創業の「日本の近江牛のすき焼屋の元祖」と呼ばれる「銀座松喜屋」の味を守り続けるすき焼。割下から野菜、卵まで、すべてにこだわった看板料理だ
日本三大名橋「瀬田の唐橋」からすぐの場所にある近江牛専門店。明治から昭和にかけて宮内庁御用達を務めた「銀座松喜屋」に肉を卸し、近江牛の名を全国区にした老舗の卸の三代目が「松喜屋」の暖簾を譲り受けて大正初期に創業。現在は四代目が「元祖」のすき焼を受け継いでいる。
すき焼は甘さを控えた関西風。まず肉と野菜を焼き、割下と甜菜含蜜糖を加えていくが、上品な味わいは「味付ける」というよりも「うまみを引き立てる」。霜降りの肉を口に運べば、舌に蕩ける食感とともに肉本来の風味。コースで5,000円から。伝統の味に庶民でも手が届くのはありがたい。
1階には熟練のコックが目の前で焼いてくれるステーキカウンター。ガッチリ味わえるステーキコース、脂身の少ない赤身を使った赤身メニュー、多彩な創作料理を織り混ぜたステーキ割烹の三択。肉のうまさに加え、「肉と喧嘩させや」という心意気で選び抜く北海道の舞茸、群馬の玉白茸などの副材も光る。
唯一難点といえば、近江牛をどの料理でいただくか、その決断を迫られること。うれしい悩みだ。
肌に溶ける独特のねばりをもつ霜降りが近江牛の特徴。ステーキは、こんぶダシと塩を泡立ててゼラチンで固めた泡塩、約2日かけて作るリンゴベースのステーキソース、辛味の強い山葵の3種類の味で楽しめる。とくに「泡塩で食すべし」と評される泡塩は、近畿では「松喜屋」のみ。ステーキにのせると熱で溶け出し、ほどよい塩加減に
(左)1階のステーキカウンターの脇にあるワインセラー(写真奥)には、ソムリエが「最高級の肉にふさわしいもの」を選りすぐったワインが出番を待つ。グラスで約30種類を楽しめるのもありがたい(右)ランチでも、低温熟成された近江牛を、すき焼やステーキ、あみ焼で味わえる
贅を尽くした特別室は3階に2部屋。ゴシック建築で煌びやかにしつらえた「湖鏡(みずかがみ)」(上)は10名様まで。畳敷に椅子席を配した現代和風の「湖澄(みずすまし)」(下)は8名様まで。※ともに時間制限なし。個室は飲食料金とは別にサービス料10%がかかります
鮮やかな赤のシートと金色の壁の3階「湖葵(みずあおい)」の内装は、信長が和と伴天連文化を融合した安土城をイメージ。絢爛豪華な雰囲気が非日常の贅沢な気分に浸らせてくれる
3階「湖椿(みずつばき)」の部屋は掘ごたつ式。茶室を思わせる純和風の雰囲気が落ち着ける。3階に完備された6部屋の個室のほか、2階には100人の宴会も可能なテーブル席の大広間もある
※料理写真はイメージです。
INFORMATION | |
店名 | れすとらん 松喜屋 |
電話番号 | 077-534-2901 |
住所 | 滋賀県大津市唐橋町14-17 |
営業時間 | 11:30~14:00(L.O.) 17:00~20:00(L.O.) |
定休日 | 年中無休 |
交通 | JR各線石山駅南口より徒歩8分 |
席数 | カウンター31席 テーブル100席/個室6室 |
予算 | (昼)5,000円 (夜)10,000円 |
Webサイト | https://www.matsukiya.net/ |
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