うまみたっぷり、爽快マリネ
太平洋に面した海岸線、アンデス山脈、砂漠や熱帯雨林などを有するペルー。多様な風土と多民族国家による豊かな食文化が根付いた美食の国だ。代表的な料理のひとつセビチェは、新鮮な魚介類にレモンやライムをたっぷり絞ったひと皿。紫タマネギとニンニク、香草で香り高く仕上げ、ぴりりと効かせたアヒ(唐辛子)がシンプルな味の爽やかなアクセントに。白身魚やイカにタコ、エビなど、魚介のバリエーションは土地ごとの特色が楽しく、具材によってさまざまに変化する味わいも魅力。暮らしに欠かせない
国民食として、みんなに愛されている料理だ。
なにしろ町にはセビチェの専門店があちこちにあって、6月28日はセビチェの日に制定されているほど!また、セビチェの日の翌日、29日は漁師の守護聖人として親しまれる聖ペドロの記念日。
海沿いの港町ではお祝いに盛大なお祭りが開かれ、たくさんの屋台でにぎわい、船の上で豊漁を祈るミサが執り行われる。この日も、名物のセビチェは大人気。とびきりの海の幸と、辛味と酸味の絶妙な取り合わせを口いっぱいにほおばる幸せ。潮風に吹かれて味わえば、お腹も心も満たされて、ほっぺたが自然とゆるんでしまう。
新鮮豊富な魚介類
リマの海岸沿いの港町
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