インドネシア スマトラ島
コーヒーチェリー
火山がもたらした肥沃な土壌、温暖な気候、適度な日照と降雨量。山間部では高地ゆえの寒暖差も好条件となり、良質なコーヒー豆の生産地となっているインドネシア。なかでもスマトラ島のマンデリンやスラウェシ島のトラジャコーヒーは、生産量の少なさから希少価値の高い高級銘柄として広く知られている。多くが小規模農家によって栽培されるのも特徴だろう。収穫期、コーヒーの木はコーヒーチェリーと呼ばれる赤く熟した実をつけている。さくらんぼを思わせるふっくらとみずみずしい果実だ。この中にコーヒー豆がふた粒、向かい合って収まっている。
完熟を迎え、緑から深紅へと染まったコーヒーチェリーは、一つひとつ丁寧に手摘みされ、収穫後すぐに精製処理が施される。濃密な木々の気配に包まれるインドネシアの高地で、遠く離れた誰かの幸福な一杯のために、小さな農家が懸命に育む果実。土地の恵みと生産者の丹精が作り出す、ふくよかな赤。それは、日に焼け、しわが刻まれた手の中でより美しく輝く。働き手の情熱をまとい、太陽の光にぴかぴかと、溌剌として輝くのだ。
さあ、熱情の赤を求めて。
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