インド
デリー
レッド・フォート

 大勢で賑わう首都デリー。その旧市街のオールド・デリーに、赤く巨大な城がそびえ立っている。

 インド史上最大のイスラム国家として北インド全体を支配したムガル帝国。最盛期の17世紀中頃、皇帝の座にいたのは5代皇帝シャー・ジャハーンだ。白亜の霊廟タージ・マハルの建造者その人である。シャー・ジャハーンはアーグラからデリーに都を遷し、1639年から9年の歳月をかけ、新都の中心に皇帝の居城である巨大な城を建てた。城内に白大理石の美しい王宮が並ぶこの城は、堅固な赤砂岩の城壁が威厳と風格を誇示していたことから、後にレッド・フォート(赤い城)と呼ばれるようになる。現地の言葉ではラール・キラーだ。
 
 ムガル帝国の衰退後、18世紀のイギリス統治時代に軍事施設として接収された歴史を経て、現在は毎年8月15日の独立記念日に首相の演説が行なわれている。活気と混沌、栄華、戦乱。すべてを超えて300年以上もの間、この地にそびえ立つレッド・フォート。世界遺産となった今、眼前に迫る赤の雄姿が、壮大かつ、堂々たる存在感で見る者を圧倒する。

さあ、荘重のを求めて。

海蔵寺の一本桜

ばら寿司(写真提供:海の京都DMO)

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