午前10時、心地よい挨拶に迎え入れられ、店舗に足を踏み入れる。1階コスメティック・アクセサリーフロアは、煌びやかなシャンデリアやフレスコ画の天井、華やかな幾何学パターンのデザインが、まるで美術館のようだ。

ここは大阪・心斎橋にある「大丸心斎橋店 本館」。1933年に完成した本館は、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの最高傑作ともいわれ、大正モダンの名建築として知られる。2016年から建て替え工事を行っていたが、今年9月にグランドオープン。歴史的価値のあるヴォーリズ建築を随所に再現しながら、最新のデザインが融合した空間へと生まれ変わった。“世界が憧れる、心斎橋へ”をコンセプトとして、大阪の新たなランドマークに。地下2階から地上10階の売り場には、関西初出店の41店舗を含む約370店舗が出店。なかでも地下2階の「心斎橋フードホール」は、各店舗の商品をその場で味わうことができる、イートインスタイルになっている。「百貨店のクオリティをカジュアルに食べていただきたい」と広報担当者も笑顔を見せる。

食事を楽しむもよし、建築美にひたるもよし、自分なりの楽しみ方を見つけられる場所。ひと味違う百貨店の姿がここにはある。