天草の風土を体感する国立公園内の温泉旅館

緑濃い樹木が生い茂る山道を車で走り抜けていく。日常の喧騒とはかけ離れた大自然のなかにその宿は佇んでいる。ここは、熊本県天草市にある「石山離宮 五足のくつ」。手つかずの自然が残る雲仙天草国立公園内の温泉旅館だ。約一万坪の広大な敷地内に、わずか15棟の離れとレストラン棟、管理棟が点在している。

コンセプトは「アジアの中の天草」。天草は古くから海を介して世界とつながり、キリスト教とともに伝わった独自の文化が今もなお息づく。そんな世界観が館内の随所に表現され、ヴィラAとBは天草の歴史と未来をテーマに、ヴィラCはキリスト教が伝来した中世の天草をテーマに意匠されている。さらに、約700年の歴史を誇る天草下田温泉に位置するため、全室に源泉かけ流し天然温泉の露天風呂が備えられ、24時間、人目を気にせず入浴を楽しめる。

「朝は鳥のさえずりや木漏れ日で目を覚まし、水平線に沈む夕日を眺めて一日を締めくくる。そんな環境を満喫してほしい」と話す、オーナーの山﨑博文さん。次の旅は、大自然に抱かれながら、天草の歴史に思いを馳せてみたい。

プライベートヴィラで過ごす究極のバカンス

沖縄本島中部、読谷村（よみたんそん）の宇座（うざ）海岸沿いに佇む「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」。全室に専用プールが配されたヴィラスタイルのラグジュアリーなリゾートだ。

まずはレセプションハウスでチェックイン。爽やかな潮風が吹き抜ける空間のなか、ウエルカムドリンクで一息ついた後は、さっそく客室へ。重厚な扉を開けると、部屋の中央にあるプライベートプールが目に飛び込んでくる。客室は全48室。専有面積186～960平方メートルまで広さの異なる4つの部屋タイプがあるが、いずれもプールを挟んで、キッチンを備えたリビングルームとベッドルームが向かいあう贅沢なレイアウトだ。青空の下でプールに身を委ねるもよし、デッキチェアに座って寛ぐもよし。時がたつのを忘れ、思い思いの時間を過ごすことができる。

気づけば夕暮れ時。夕食を部屋で味わえるのも魅力の一つだ。自家農園の無農薬野菜や沖縄県産の食材をふんだんに使った洋風膳「シェフズジュエリーボックス」は、味とその見た目の美しさに心奪われる。心身を解き放つひと時。誰にも邪魔されない空間。そんな特別な滞在がここには待っている。