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▲平田館「御幸の間」は、床の間から本間、広縁まで床面がフラットになるようデザインされている。
登録有形文化財の数寄屋建築に泊まる
老舗の放つ圧倒的な存在感。凛とした佇まいに、すっと背筋が伸びる。長きにわたって愛され続ける日本旅館とはこういうものかと、玄関を入った途端に理解できる。創業約160年の「城崎温泉 西村屋本館」は、そんな宿だ。
まず、その建物が素晴らしい。木と池と石を、計算し尽くされたバランスで配置した日本庭園を取り囲むように、昭和初期に建てられた本館が建っている。増改築を繰り返して4号館まで増えた館内には、純和風の客室が32室。建具や欄間の細かな意匠にも、当時の宮大工の魂が見て取れる。
そして、なにより4号館の奥にある「平田館」の美しさには眼を見張る。巨匠・平田雅哉氏によって昭和35年に建てられたこの別棟は、国の登録有形文化財の名建築。日本庭園を底辺にして4段構造になった立体的な回廊式の建物は、数寄屋建築のセオリーからは外れるのだが、これぞ鬼才の真骨頂なのだ。同じ庭でも、高さや角度が変わることで、部屋ごとに違った風情を感じられる。
文化財に泊まる贅沢な旅。数寄屋建築の巨匠の美意識に包まれて、静かに庭を眺めて過ごしたい。
(左上)湯船はもちろん、壁や天井など浴室すべてに檜をあしらった「吉の湯」。
(左下)平田館と同じく登録有形文化財の「泉霊の間」は朝食会場として利用。正面に掲げられた“泉霊”の書は、犬養毅元首相の揮毫。
(右上)建物と庭が一体となるよう構成されている平田館。
(右下)11月初旬から3月末まで提供される松葉蟹料理。地元漁港に水揚げされた鮮度抜群の蟹を使用。
兵庫県豊岡市 城崎温泉 西村屋本館
Tel:0796-32-4895
兵庫県豊岡市城崎町湯島469
料金:41,800円~(1泊1室 2名利用時の1名料金 夕・朝食付き 税・サービス料込み)
チェックイン 15:00
チェックアウト 11:00
JR城崎温泉駅から徒歩約15分(無料送迎バスあり)
Text by NAKAJIMA Ryo
Phozo by INOUE Masao
▲蟹会席は2月末まで特別料金で提供。1名につき1杯が、さまざまな調理法で提供される。
石川のブランド蟹を洗練の和空間で味わう
冬の北陸といえばズワイガニだ。11月から3月の漁期にだけ食べられる“日本海の宝石”。水揚げされる場所によってブランド化されており、石川県産の呼び名は加能(かのう)ガニ。この味がまた極上だ。甲羅の大きさが9cm以上の雄で、身入りのよい個体だけが名乗ることを許される特別な蟹を、これまた極上のサービスで提供してくれる宿がある。「料理旅館 金沢茶屋」は、“プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選”でたびたび1位に選ばれている和倉温泉の名旅館・加賀屋の直営。そのDNAを踏襲した、こちらの思いの一歩先を読むさり気ないサービスが心地よい。凛とした設えのロビーから見える日本庭園、着物姿の仲居さん、九谷焼や輪島塗の調度品など、トータルで醸し出される和の風情にはうっとりさせられる。
冬の名物はもちろん加能ガニだ。「鮮度の高さは刺身を見てもらえば一目瞭然」と料理長がいうとおり、氷水にさらした身が、ふわっと咲いた花のように美しく広がっている。少しでも鮮度が落ちれば、こうはいかない。炭火で火を入れた焼き蟹も、香り高く舌が震える。チェックアウト時には、来年の予約を入れたくなる、そんな特別な味だ。
(左上)北陸の玄関口として賑わう金沢駅からすぐとは思えぬほど静かなロケーション。
(左下)旬の焼き魚をメインに、彩り豊かな小鉢が並ぶ朝食は栄養バランスも考え抜かれている。
(右上)客室は全19室。別館特別室「竹園」は15畳の本間と、ベッドが置かれた洋室がつながる和洋折衷の空間。
(右下)脚に付けられた青いタグが、正真正銘の加能ガニである証。
石川県金沢市 料理旅館 金沢茶屋
Tel:0120-378-223
石川県金沢市本町2-17-21
料金:33,200円~(1泊1室2名 利用時の1名料金 夕・朝食付き 税・サービス料込み)
※一般客室をご利用の場合。別館特別室をご利用、および蟹会席をご注文の際は別料金となります。
チェックイン 15:00
チェックアウト 10:00
JR金沢駅兼六園口から徒歩約3分